ぷわ体育大会 その4 終盤編
自転車のベルが壊れました。ギガぷわです。
昨日のことです。
おそらく原因は金属疲労です。真ん中の支柱が折れてました。
ベル無しで乗るわけにはいかないので
今日の朝、家にあるほかの自転車のベルを使うことにしました。
前よりも一回り大きいベル。
段差の上り下りでリンリン鳴ります。恥ずかしいです。
前回→ぷわ体育大会 その4 終盤編
これは4話目です。続きからどうぞ。
昨日のことです。
おそらく原因は金属疲労です。真ん中の支柱が折れてました。
ベル無しで乗るわけにはいかないので
今日の朝、家にあるほかの自転車のベルを使うことにしました。
前よりも一回り大きいベル。
段差の上り下りでリンリン鳴ります。恥ずかしいです。
前回→ぷわ体育大会 その4 終盤編
これは4話目です。続きからどうぞ。
ギガぷわはすぐに手を放した。
ピコぷわは先ほどまでギガぷわの手があったところを
確かめるように自分の手を当てた。
心臓が激しく全身に血液を送っていた。
「ピコぷわ、ごめん。とっさのことだったからさ」
「………」
ピコぷわは後ろからギガぷわの声を聞いた。
ピコぷわは黙っていた。何も話すことができなかった。
ギガぷわもまた戸惑っていた。
ピコぷわのこのような反応を見るのは初めてだ。
ピコぷわはゆっくりと立ち上がった。
うしろ向きのまま少しギガぷわに顔を見せた。
それは少女の顔だった。当たり前といわれれば当たり前だが。
「あ…あぅ…」
ピコぷわは言語化できない何かを呟いている。
右足を前に進めた。次は左足。足を前に出す間隔が短くなって…。
「えっと、ピコぷわ?」
ピコぷわはどこかへ走っていってしまった。両手を上げて。
ギガぷわが垣間見たピコぷわの顔は、真っ赤だった。
今までのピコぷわとは反応が全く異なっていた。
もしも今までのピコぷわだったら、このような状況になったら
「もぉ、ギガくんのえっちぃ〜」
などと笑いながら冗談まじりでギガぷわをいじってきただろう。
いつ頃からピコぷわは変わったのだろうか。
今日はいつも以上にギガぷわにくっついてきた。
変わったのはあの夏の日からかもしれない、ギガぷわはそう思った。
「ギガぷわ」
「ナノぷわ、どうすればいいのかな?」
「今回は責めないけど、とりあえず私はピコを追いかけるわ」
「ナノぷわサン」
この空気読まないタイミングで別の声が聞こえた。
「え、ゼプトぷわ?いつの間にそこにいたのよ?」
「ついさっきからだぉ」
「一体何の用よ?今私忙しいんだけど」
「ちょっと来てもらうぉ」
「ま、待ちなさいよ、今忙しいって言ってるでしょ」
そういいながらゼプトぷわはナノぷわを引っ張って行ってしまいました。
ギガぷわは、ゼプトぷわの持っていたくじに
『ツンデレ』と書いてあるのを確認できた。空気を読むべきだと思った。
「…ギガさん」
「メガぷわ、もう大丈夫?」
「…はい、まだ少し…変な気分ですが…。
ナノさんは…連れていかれてしまったので
…私が…ピコさんのところへ行きます」
「え、さっきのことがあったのにいいの?」
「…いいです。状況が…違います」
そういってメガぷわはピコぷわの気配を探り、歩いていった。
(メガぷわってすごいなぁ…)
「また逃げちゃったなぁ…」
ピコぷわは独り呟く。運動場の周りを囲んでいる林の中。
メガぷわとギガぷわの場所から走ってここまで来た。
(あの日から逃げないって決めたのに…)
どうしたらいいか分からなくなって、逃げ出していた。
(また、私らしくないなぁ)
自分がどこかで変わってしまったのか。
(違う、自分で変わろうとしたんですよぉ…)
ピコぷわが思いを巡らせていると、メガぷわが近づいてきた。
「…ピコさん」
(あんなことをした後なのに、メガぷわさんが来てくれた…)
「メガぷわさん」
「はい」
「走りますよぉっ!」
「…え?」
体育大会は一時中断していた。
ゼプトぷわはナノぷわを連れて見事にゴールしていた。なんだこいつ。
ギガぷわは走ってくる2人分の足音を聞いた。
その足音はどんどん近づいてきている。
ピコぷわがメガぷわの手を引いて駆けていた。
すっかりピコぷわは元通りだった。
「…ピコさん、勝負は…ついてしまっています…。
…ですから…もう少しゆっくり…」
走らされているメガぷわがさっきとは違う意味で息が上がっていた。
「あはっ、走らないとダメですよぉ♪」
ピコぷわはギガぷわと目があった。
「えへへ…」
ピコぷわは笑いかけてきた。照れ隠しだろうか。
メガぷわを小さな手で引っ張って、そのままピコぷわはゴールした。
勝負には負けてしまったが、とてもいい顔をしていた。
一番ピコぷわらしい、周りにまで伝染してしまいそうな笑顔だった。
「ふふ、負けちゃいましたねぇ。
さて、次の競技は百足競走ですよぉ。
人数の関係上2人組で2組、もちろん男女ですよぉ☆」
その人数では百足とは言い難いかもしれないが、気にしたらダメだ。
「つまり、俺とギガぷわは出ることが決まっているというわけだな」
「そうですねぇ」
すでに全員1回以上は出ている。多くても2回だ。
「エクサぷわ、出るぞ。お前はまだ1回出ただけだったな」
「分かった…」
ミリぷわ&エクサぷわ決定。あと1組だ。
「ギガくんは誰と組むんですかぁ?」
「えっと、そうだな…」
ここで選択肢出現ですね。分かります。
ピコぷわ、アトぷわ、小椋美雪、滝川雫の誰かである。
(さすがに初対面同然ってのはちょっとなぁ…)
ピコぷわかアトぷわか、ということになるな。
「あ、どのみちギガくんは連戦ということになりますよぉ」
「どういう意味?」
「次の次の競技がラストで『部活対抗リレー』ですからねぇ♪」
「部活ってのはもしかして…?」
「はい、私が部長の『さんびょぉるぅる部』なのです!」
「あの前編しか書いてないやたら小文字の多い部ですね!
まさかここで登場するとは思ってもみなかったよ!」
あれからどのくらい月日がたっただろうか、
後編はまだ書き始めていない。
「さてと、ギガくんは誰を選ぶんですかぁ?」
少し言い回しが変わった。
(ピコぷわもアトぷわも、どっちと組んでも連戦になるんだな)
ピコぷわの場合3連戦、アトぷわの場合は2連戦だ。
(さすがに3連戦は辛いんじゃないかなぁ)
ギガぷわはピコぷわとアトぷわを眺めた。
アトぷわは選ばれる可能性がある、というだけで緊張している。
ピコぷわは…。
両手を後ろに回し、顔はうつむいている。
上目遣いでギガぷわを見つめているその目は潤んでいて、
唇はしっかりと閉じられている。どこか寂しそうに、見えた。
(…人型で体操服で上目遣いとか反則だろ!)
ギガぷわにクリーンヒットしたようです。
おめでとうございますピコぷわさん。
「ピコぷわ」
「あ…、私を選んだってことですかぁ?」
「うん、えっと…」
「じゃあ行きましょぉ♪」
「わっ!?」
走り出したピコぷわに手を握られ、引っ張られていくギガぷわ。
「ギガくん、前と後ろどっちがいいですかぁ?」
「どちらも捨てがたいな…って何の話!?」
「百足競走のことに決まってるじゃないですかぁ」
「あ、うん、そうだよね。えーっと、…前かな」
「分かりましたぁ。ところで何のことだと思ったんですかぁ?」
「なんでもないよ。なんでも」
「ふーん、そうですかぁ。そういうことにしておきましょぉ」
百足競走スタート地点。走者は全員揃った。
白組、ギガぷわ&ピコぷわ、ミリぷわ&エクサぷわ。
赤組、ナノぷわ&滝川湧、キロぷわ&デシぷわ。
偶然にも2人3脚とまったく同じメンバーになってしまった。
2人3脚のときはほぼ全力疾走に近いスピードまで出すことができた。
しかし、百足で同じことをするのは難しい。
足が結ばれているので、浮遊や飛行のようなことをするのも難しい。
「ピコ、もしかして今回も障害物とかあるわけ?」
「いいや、今回はないですよぉ。ネタもないですしねぇ」
ナノぷわが訊き、ピコぷわが答えた。
つまりガチだ。そういうことです。
全ての組が横一列に並んだ。
ピストルを使って合図をするのはアトぷわだ。
ピストルを扱う様子を見る限り、未だに慣れないようだ。
「いちについて、よーい」
空砲とともに全員が駆け出した。
実際に走っている者も、それを見ている者も、
全員が一体となってこの体育大会というイベントを楽しんでいた。
「さて、次は最後の競技の『部活対抗リレー』ですよぉ。
白組からは『さんびょぉるぅる部』が出ますからねぇ」
「赤組はどうしろっていうのよ?」
ナノぷわはピコぷわに疑問をぶつけるが、
答えは別の人、空気と化していたあいつから返ってきた。
「『温泉部』があるだろう」
空気と化していた温泉清、ついに活躍か!?
「…そうだったわね。ピコ、そっちは何人出るの?」
「私と、ギガくんとアトぷわで3人ですよぉ」
「『温泉部』は2人しかいないんだけど」
『温泉部』は部長の温泉清、平部員の滝川湧の2名に
よって構成されている学校側から認められた部だ。
「赤組から誰か適当に補ってくださいねぇ」
「これって私の流れよね。まぁいいわ」
赤組の中で湧や清と面識があるのはナノぷわとメガぷわだけだ。
すでに2択状態であったが、つまりあれだ、流れ。
「それで、ルールはどうなってるの?」
「あそこに400mトラックがありますよねぇ」
ナノぷわはピコぷわが指を指す方向を見た。
「いつからあそこにあったのよ?」
「きっと初めからあったんですよぉ。
あれを2人で1周、アンカーで1周の合計2周でどうですかぁ?」
「それでいいわ。順番決めないとね」
「じゃあ作戦会議も兼ねてちょっと休憩しましょぉかぁ?」
「そうね。6人中4人も連続になるしね」
「んーと、では15分ほど休憩なのです」
白組。『さんびょぉるぅる部』。
メンバーのピコぷわ、ギガぷわ、アトぷわは作戦会議だ。
「問題は誰がアンカーになってたくさん走るかだね」
今回の主な論点はこれだ。いかに自分が楽をするか。
「あうぅ、ボクはあまり体力には自信ないデス」
「私がやりますよぉ。なんてったって部長ですからねぇ♪」
「それは助かるよ。俺も運動にはまったく自信ないし」
「ピコぷわさん任せました」
「任せなさいなのですっ☆
ところでバトンの代わりにこれを回そうかと思ってますよぉ」
「箸?」
「そうですよぉ。だって『さんびょぉるぅる部』ですからねぇ」
「渡すのが難しくないですか?
バトンよりも細いし、走っている途中で落とすかもしれないデス」
「こればかりは譲れないですよぉ。
それともアンカーがやりたいんですかぁ?」
「うぐぅ、それは嫌デスヨ」
「分かったならいいですよぉ。
では第一走者はアトぷわ、第二走者はギガくんでお願いしますねぇ」
「了解ー」
赤組。『温泉部』。
同じく、メンバーの温泉清、滝川湧と助っ人のナノぷわで話し合い中。
「突然だが、温泉部らしいリレーについて考えよう」
いきなり温泉清が謎の発言をした。
「どういう意味だよ?」
滝川湧が訊いた。ナノぷわは傍観している。
「部活対抗リレーといったら、それぞれの部活らしいリレーをするだろ?
格好とかバトンとか、走りながら何かするとか」
「確かにそうだな。
普通に戦ったら陸上部が勝つだろうし、面白さを追求するんだろうな」
「温泉部ってユニフォームはタオルだろ?
走りながら体洗うのもおかしいし、やるならバトンだな」
(ユニフォームってタオルだったんだ…)
「というわけで俺はバトンとして桶を使うのを提案する」
「別にいいけど…」
「なら決まりだな」
バトンが桶に決定した。絶対やりづらいだろう。
「とりあえず走る順番を決めない?」
今まで傍観していたナノぷわが痺れを切らして話を進めた。
「リレーって1人目が一番楽だよな?」
バトンを受け取る、という動作がない分楽なのかもしれないが、
走り出す、という動作が用意されていて楽かどうかは分からない。
「問題はアンカーを誰がやるかということか…」
滝川湧がそう言った。
「一番距離が長いからね、この中で一番体力があるのは誰?」
「俺は普通だぞ」
「僕はあまり自信ないな…。
たぶん一番体力があるのはナノぷわだと思うよ」
「そういうことだ、頼んだぞ」
「…アンタ部長でしょ。アンタがやりなさいよ」
「部長や部員同士の距離がないのが温泉部の方向性だ」
温泉清がそれっぽいが実は内容のない発言をした。
「分かったわよ、私がやればいいんでしょ?」
温泉清が第一走者、滝川湧が第二走者、
そしてナノぷわが第三走者になりました。
あとがき
ピコぷわルート突入のお知らせ。
おめでとうございます。ピコぷわさん。
次回で「ぷわ体育大会」は最終話です。
温泉清の活躍はあるのか!?
さんびょぉるぅる部の後編もなんとか年内には書きたいです。
あの夏の日、の詳細はこれです→ピコぷわの避暑
つ「ぷわ体育大会 その5 終焉編」
ピコぷわは先ほどまでギガぷわの手があったところを
確かめるように自分の手を当てた。
心臓が激しく全身に血液を送っていた。
「ピコぷわ、ごめん。とっさのことだったからさ」
「………」
ピコぷわは後ろからギガぷわの声を聞いた。
ピコぷわは黙っていた。何も話すことができなかった。
ギガぷわもまた戸惑っていた。
ピコぷわのこのような反応を見るのは初めてだ。
ピコぷわはゆっくりと立ち上がった。
うしろ向きのまま少しギガぷわに顔を見せた。
それは少女の顔だった。当たり前といわれれば当たり前だが。
「あ…あぅ…」
ピコぷわは言語化できない何かを呟いている。
右足を前に進めた。次は左足。足を前に出す間隔が短くなって…。
「えっと、ピコぷわ?」
ピコぷわはどこかへ走っていってしまった。両手を上げて。
ギガぷわが垣間見たピコぷわの顔は、真っ赤だった。
今までのピコぷわとは反応が全く異なっていた。
もしも今までのピコぷわだったら、このような状況になったら
「もぉ、ギガくんのえっちぃ〜」
などと笑いながら冗談まじりでギガぷわをいじってきただろう。
いつ頃からピコぷわは変わったのだろうか。
今日はいつも以上にギガぷわにくっついてきた。
変わったのはあの夏の日からかもしれない、ギガぷわはそう思った。
「ギガぷわ」
「ナノぷわ、どうすればいいのかな?」
「今回は責めないけど、とりあえず私はピコを追いかけるわ」
「ナノぷわサン」
この空気読まないタイミングで別の声が聞こえた。
「え、ゼプトぷわ?いつの間にそこにいたのよ?」
「ついさっきからだぉ」
「一体何の用よ?今私忙しいんだけど」
「ちょっと来てもらうぉ」
「ま、待ちなさいよ、今忙しいって言ってるでしょ」
そういいながらゼプトぷわはナノぷわを引っ張って行ってしまいました。
ギガぷわは、ゼプトぷわの持っていたくじに
『ツンデレ』と書いてあるのを確認できた。空気を読むべきだと思った。
「…ギガさん」
「メガぷわ、もう大丈夫?」
「…はい、まだ少し…変な気分ですが…。
ナノさんは…連れていかれてしまったので
…私が…ピコさんのところへ行きます」
「え、さっきのことがあったのにいいの?」
「…いいです。状況が…違います」
そういってメガぷわはピコぷわの気配を探り、歩いていった。
(メガぷわってすごいなぁ…)
「また逃げちゃったなぁ…」
ピコぷわは独り呟く。運動場の周りを囲んでいる林の中。
メガぷわとギガぷわの場所から走ってここまで来た。
(あの日から逃げないって決めたのに…)
どうしたらいいか分からなくなって、逃げ出していた。
(また、私らしくないなぁ)
自分がどこかで変わってしまったのか。
(違う、自分で変わろうとしたんですよぉ…)
ピコぷわが思いを巡らせていると、メガぷわが近づいてきた。
「…ピコさん」
(あんなことをした後なのに、メガぷわさんが来てくれた…)
「メガぷわさん」
「はい」
「走りますよぉっ!」
「…え?」
体育大会は一時中断していた。
ゼプトぷわはナノぷわを連れて見事にゴールしていた。なんだこいつ。
ギガぷわは走ってくる2人分の足音を聞いた。
その足音はどんどん近づいてきている。
ピコぷわがメガぷわの手を引いて駆けていた。
すっかりピコぷわは元通りだった。
「…ピコさん、勝負は…ついてしまっています…。
…ですから…もう少しゆっくり…」
走らされているメガぷわがさっきとは違う意味で息が上がっていた。
「あはっ、走らないとダメですよぉ♪」
ピコぷわはギガぷわと目があった。
「えへへ…」
ピコぷわは笑いかけてきた。照れ隠しだろうか。
メガぷわを小さな手で引っ張って、そのままピコぷわはゴールした。
勝負には負けてしまったが、とてもいい顔をしていた。
一番ピコぷわらしい、周りにまで伝染してしまいそうな笑顔だった。
「ふふ、負けちゃいましたねぇ。
さて、次の競技は百足競走ですよぉ。
人数の関係上2人組で2組、もちろん男女ですよぉ☆」
その人数では百足とは言い難いかもしれないが、気にしたらダメだ。
「つまり、俺とギガぷわは出ることが決まっているというわけだな」
「そうですねぇ」
すでに全員1回以上は出ている。多くても2回だ。
「エクサぷわ、出るぞ。お前はまだ1回出ただけだったな」
「分かった…」
ミリぷわ&エクサぷわ決定。あと1組だ。
「ギガくんは誰と組むんですかぁ?」
「えっと、そうだな…」
ここで選択肢出現ですね。分かります。
ピコぷわ、アトぷわ、小椋美雪、滝川雫の誰かである。
(さすがに初対面同然ってのはちょっとなぁ…)
ピコぷわかアトぷわか、ということになるな。
「あ、どのみちギガくんは連戦ということになりますよぉ」
「どういう意味?」
「次の次の競技がラストで『部活対抗リレー』ですからねぇ♪」
「部活ってのはもしかして…?」
「はい、私が部長の『さんびょぉるぅる部』なのです!」
「あの前編しか書いてないやたら小文字の多い部ですね!
まさかここで登場するとは思ってもみなかったよ!」
あれからどのくらい月日がたっただろうか、
後編はまだ書き始めていない。
「さてと、ギガくんは誰を選ぶんですかぁ?」
少し言い回しが変わった。
(ピコぷわもアトぷわも、どっちと組んでも連戦になるんだな)
ピコぷわの場合3連戦、アトぷわの場合は2連戦だ。
(さすがに3連戦は辛いんじゃないかなぁ)
ギガぷわはピコぷわとアトぷわを眺めた。
アトぷわは選ばれる可能性がある、というだけで緊張している。
ピコぷわは…。
両手を後ろに回し、顔はうつむいている。
上目遣いでギガぷわを見つめているその目は潤んでいて、
唇はしっかりと閉じられている。どこか寂しそうに、見えた。
(…人型で体操服で上目遣いとか反則だろ!)
ギガぷわにクリーンヒットしたようです。
おめでとうございますピコぷわさん。
「ピコぷわ」
「あ…、私を選んだってことですかぁ?」
「うん、えっと…」
「じゃあ行きましょぉ♪」
「わっ!?」
走り出したピコぷわに手を握られ、引っ張られていくギガぷわ。
「ギガくん、前と後ろどっちがいいですかぁ?」
「どちらも捨てがたいな…って何の話!?」
「百足競走のことに決まってるじゃないですかぁ」
「あ、うん、そうだよね。えーっと、…前かな」
「分かりましたぁ。ところで何のことだと思ったんですかぁ?」
「なんでもないよ。なんでも」
「ふーん、そうですかぁ。そういうことにしておきましょぉ」
百足競走スタート地点。走者は全員揃った。
白組、ギガぷわ&ピコぷわ、ミリぷわ&エクサぷわ。
赤組、ナノぷわ&滝川湧、キロぷわ&デシぷわ。
偶然にも2人3脚とまったく同じメンバーになってしまった。
2人3脚のときはほぼ全力疾走に近いスピードまで出すことができた。
しかし、百足で同じことをするのは難しい。
足が結ばれているので、浮遊や飛行のようなことをするのも難しい。
「ピコ、もしかして今回も障害物とかあるわけ?」
「いいや、今回はないですよぉ。ネタもないですしねぇ」
ナノぷわが訊き、ピコぷわが答えた。
つまりガチだ。そういうことです。
全ての組が横一列に並んだ。
ピストルを使って合図をするのはアトぷわだ。
ピストルを扱う様子を見る限り、未だに慣れないようだ。
「いちについて、よーい」
空砲とともに全員が駆け出した。
実際に走っている者も、それを見ている者も、
全員が一体となってこの体育大会というイベントを楽しんでいた。
「さて、次は最後の競技の『部活対抗リレー』ですよぉ。
白組からは『さんびょぉるぅる部』が出ますからねぇ」
「赤組はどうしろっていうのよ?」
ナノぷわはピコぷわに疑問をぶつけるが、
答えは別の人、空気と化していたあいつから返ってきた。
「『温泉部』があるだろう」
空気と化していた温泉清、ついに活躍か!?
「…そうだったわね。ピコ、そっちは何人出るの?」
「私と、ギガくんとアトぷわで3人ですよぉ」
「『温泉部』は2人しかいないんだけど」
『温泉部』は部長の温泉清、平部員の滝川湧の2名に
よって構成されている学校側から認められた部だ。
「赤組から誰か適当に補ってくださいねぇ」
「これって私の流れよね。まぁいいわ」
赤組の中で湧や清と面識があるのはナノぷわとメガぷわだけだ。
すでに2択状態であったが、つまりあれだ、流れ。
「それで、ルールはどうなってるの?」
「あそこに400mトラックがありますよねぇ」
ナノぷわはピコぷわが指を指す方向を見た。
「いつからあそこにあったのよ?」
「きっと初めからあったんですよぉ。
あれを2人で1周、アンカーで1周の合計2周でどうですかぁ?」
「それでいいわ。順番決めないとね」
「じゃあ作戦会議も兼ねてちょっと休憩しましょぉかぁ?」
「そうね。6人中4人も連続になるしね」
「んーと、では15分ほど休憩なのです」
白組。『さんびょぉるぅる部』。
メンバーのピコぷわ、ギガぷわ、アトぷわは作戦会議だ。
「問題は誰がアンカーになってたくさん走るかだね」
今回の主な論点はこれだ。いかに自分が楽をするか。
「あうぅ、ボクはあまり体力には自信ないデス」
「私がやりますよぉ。なんてったって部長ですからねぇ♪」
「それは助かるよ。俺も運動にはまったく自信ないし」
「ピコぷわさん任せました」
「任せなさいなのですっ☆
ところでバトンの代わりにこれを回そうかと思ってますよぉ」
「箸?」
「そうですよぉ。だって『さんびょぉるぅる部』ですからねぇ」
「渡すのが難しくないですか?
バトンよりも細いし、走っている途中で落とすかもしれないデス」
「こればかりは譲れないですよぉ。
それともアンカーがやりたいんですかぁ?」
「うぐぅ、それは嫌デスヨ」
「分かったならいいですよぉ。
では第一走者はアトぷわ、第二走者はギガくんでお願いしますねぇ」
「了解ー」
赤組。『温泉部』。
同じく、メンバーの温泉清、滝川湧と助っ人のナノぷわで話し合い中。
「突然だが、温泉部らしいリレーについて考えよう」
いきなり温泉清が謎の発言をした。
「どういう意味だよ?」
滝川湧が訊いた。ナノぷわは傍観している。
「部活対抗リレーといったら、それぞれの部活らしいリレーをするだろ?
格好とかバトンとか、走りながら何かするとか」
「確かにそうだな。
普通に戦ったら陸上部が勝つだろうし、面白さを追求するんだろうな」
「温泉部ってユニフォームはタオルだろ?
走りながら体洗うのもおかしいし、やるならバトンだな」
(ユニフォームってタオルだったんだ…)
「というわけで俺はバトンとして桶を使うのを提案する」
「別にいいけど…」
「なら決まりだな」
バトンが桶に決定した。絶対やりづらいだろう。
「とりあえず走る順番を決めない?」
今まで傍観していたナノぷわが痺れを切らして話を進めた。
「リレーって1人目が一番楽だよな?」
バトンを受け取る、という動作がない分楽なのかもしれないが、
走り出す、という動作が用意されていて楽かどうかは分からない。
「問題はアンカーを誰がやるかということか…」
滝川湧がそう言った。
「一番距離が長いからね、この中で一番体力があるのは誰?」
「俺は普通だぞ」
「僕はあまり自信ないな…。
たぶん一番体力があるのはナノぷわだと思うよ」
「そういうことだ、頼んだぞ」
「…アンタ部長でしょ。アンタがやりなさいよ」
「部長や部員同士の距離がないのが温泉部の方向性だ」
温泉清がそれっぽいが実は内容のない発言をした。
「分かったわよ、私がやればいいんでしょ?」
温泉清が第一走者、滝川湧が第二走者、
そしてナノぷわが第三走者になりました。
あとがき
ピコぷわルート突入のお知らせ。
おめでとうございます。ピコぷわさん。
次回で「ぷわ体育大会」は最終話です。
温泉清の活躍はあるのか!?
さんびょぉるぅる部の後編もなんとか年内には書きたいです。
あの夏の日、の詳細はこれです→ピコぷわの避暑
つ「ぷわ体育大会 その5 終焉編」

プロフィール
















